高齢者の便秘の原因は?対策は?水分摂取の工夫は?
便秘は、どの年代の方にも見られる症状です。
その中でも高齢者の方は、ご自身で「便秘だ」と認識されていない方が少なくないのです。
そのため、周りの方が気づいたときには重度の便秘になっていて、ご自身や家庭の中で対応できなくなってしまっていることも多いのです。
毎日の生活の中でのちょっとした工夫で、便秘を解消して、快適な毎日を過ごせるようにできる方法をお伝えしたいと思います。
高齢者の便秘の原因
年齢を重ねるにつれて、体の中のさまざまな機能が衰えてきます。
腸もそうです。
腸の機能の衰え・大腸壁の弾力性が落ちてしまう・腸内ビフィズス菌が減ってきて腸内環境の悪くなるといったことが原因で、大腸の動きが十分ではなくなってきます。
そのため、大腸内に便が長くとどまってしまい、必要以上に水分を吸収してしまうことによって便が固くなってしまい、排便がしにくくなってしまいます。
また、筋力の衰えによって、排便するための筋力も低下してしまい、便を押し出すことが難しくなってしまいます。
さらに、知覚神経も低下しているため、便意も感じにくくなってしまい、排便するきっかけをつかみにくくなっているのです。
高齢者は消化機能も低下しているため、食事摂取量自体も減ってきます。
そのため、便の量も少なくなるので、便意も感じにくいのです。
これらの原因が重なって、便秘になってしまうのです。
便秘の高齢者むけ対策方法は?
便秘によって、腸内環境が悪くなってしまうと、免疫力も低下し、さまざまな不調につながってきます。
便秘対策としては、以下の3点が挙げられます。
朝食後は、腸の動きが活発です。
この時間帯に排便習慣をつけることで、便が出やすい体内環境つくりとなります。
腸の動きを活発にするため、ちょっとした運動を心がけるといいです。
散歩や家事などの動きを、今までより少し時間をとるだけでずいぶん違ってきます。
高齢者は、トイレに行くのが苦痛・・と思い、どうしても水分を控えがちです。
まずは水分を摂らないと、出にくくなっている便を出すことが難しくなります。
食事の前後に、今までより一口でいいので、水分を多く摂るだけでも違ってきます。
また、食物繊維を摂るようにしている場合も多いのですが、イモ類、根菜類の不溶性食物繊維の割合が高くなってしまい、便秘になっている場合も少なくないのです。
海藻類などの水溶性食物繊維も摂るように心がけましょう。
便秘の高齢者は水分摂取の工夫をしよう
1日に必要な食事以外の水分としては、1.5~2Lとされています。
どれくらいの量か、イメージしにくいと思います。
普通の大きさのコップで、8~10杯程度です。
食事以外にこれだけ飲むのは無理・・と感じる方もいらっしゃいますよね。
でも、朝起きたとき、毎食事のとき、朝、夕の食事の間、夜寝る前で7回です。
あとは薬を飲むときの水分量を一口ぐらい増やすと、だいたい目安量になります。
そんなに難しいことではないと感じていただけるのではないでしょうか。
ただし、注意していただきたいのは、緑茶やコーヒーなどのカフェインを多く含むものです。
カフェインを多く含む飲み物は、利尿作用が大きいので、せっかく水分補給しても、それ以上の尿が出てしまうことがあります。
カフェインを多く含む飲み物の摂り過ぎに注意して下さい。
まとめ
高齢になると、さまざまな身体機能に衰えが出てきます。
そのことが便秘にもつながっているのです。
食事や水分摂取、ちょっとした運動だけでもずいぶん違ってきます。
便意も感じにくくなっているので、排便を意識するようにしましょう。
家族であっても、排便の話はしにくいものですが、周りの人の働きかけによっても違ってきます。
健康のため、便にも気を配れるようになってほしいものです。